二本松 智恵子の杜公園   Nihonmatsu Chieko no Mori Koen   1.May.2008        天空仙人の旅のかけら

高村智恵子生家、智恵子記念館
二本松 智恵子の杜公園

「二本松 智恵子の杜公園」


あれが阿多多羅山

「鞍石山から見る あれが阿多多羅山」


あの光るのが阿武隈川

「鞍石山から見る あの光るのが阿武隈川」


二本松 智恵子の杜公園 二本松 智恵子の杜公園
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二本松 智恵子の杜公園 二本松 智恵子の杜公園
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二本松 智恵子の杜公園 二本松 智恵子の杜公園
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二本松 智恵子の杜公園 二本松 智恵子の杜公園 樹下の二人の詩碑

「樹下の二人の詩碑」

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二本松 智恵子の杜公園 ほんとの空 二本松 智恵子の杜公園 樹下の二人

「ほんとの空」

「樹下の二人」

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二本松 智恵子の杜公園

福島県二本松市油井


樹下(じゅか)の二人 (高村 光太郎)
あれが阿多多羅山(あたたらやま)
あの光るのが阿武隈川(あぶくまがわ)
こうやって言葉すくなに坐っていると、
うっとりねむるような頭の中に、
ただ遠い世の松風ばかりが薄みどりに吹き渡ります。
この大きな冬の始めの野山の中に、
あなたと二人静かに燃えて手を組んでいるよろこびを、
下を見ているあの白い雲にかくすのは止しませう。
あなたは不思議な仙丹(せんたん)を魂の壺にくゆらせて、
ああ、何といふ幽妙(ゆうみょう)な愛の海底(ぞこ)に人を
誘ふことか、
ふたり一緒に歩いた十年の季節の展望は、
ただあなたの中に女人の無限を見せるばかり。
無限の境に烟(けぶ)るものこそ、
こんなにも情意に悩む私を清めてくれ、
こんなにも苦渋を身に負ふ私に爽かな若さの泉を
注いでくれる、
むしろ魔物のように捉えがたい
妙に変幻するものですね。
あれが阿多多羅山、
あの光るのが阿武隈川。
ここはあなたの生れたふるさと、
あの小さな白壁の点々があなたのうちの酒蔵。
それでは足をのびのびと投げ出して、
このがらんと晴れ渡った北国の木の香に満ちた
空気を吸おう。
あなたそのものの様な此のひんやりと快い、
すんなりと弾力ある雰囲気に肌を洗はう。
私は又あした遠く去る、
あの無頼の都(東京)、混沌たる愛憎の渦の中へ、
私の恐れる、しかも執着深いあの人間喜劇のただ中へ。
ここはあなたの生れたふるさと、
この不思議な別箇の肉身を生んだ天地。
まだ松風が吹いています。
もう一度この冬のはじめの物寂しいパノラマの地理を
教へて下さい。
あれが阿多多羅山、
あの光るのが阿武隈川。


あどけない話 (高村 光太郎)
智恵子は東京に空が無いといふ。
ほんとの空が見たいといふ。
私は驚いて空を見る。
桜若葉の間(あいだ)に在るのは、
切っても切れない
むかしなじみのきれいな空だ。
どんよりけむる地平のぼかしは
うすもも色の朝のしめりだ。
智恵子は遠くを見ながら言ふ。
阿多多羅山(あたたらやま)の山の上に
毎日出ている青い空が
智恵子のほんとうの空だといふ。
あどけない空の話である。


智恵子抄について

あれが阿多多羅山

あのひかるのが

阿武隈川

高村光太郎と智恵子の夫婦愛を美しくうたいあげた詩集『智恵子抄』から「樹下の二人」と「あどけない語」の二編を抜粋 したものがこの碑である。

高村光太郎の詩は思想的、知性的である。彼と同年代に発表された大正諸詩人の詩集が官能的、浪漫的、情緒的なのに比べ ると、彼の詩は主流的煩向からはずれ、むしろ異端的立場にあった。

智恵子は、福島高等女学校から日本女子大を経て、光太郎と大正三年に結ばれた。光太郎三十二歳、智恵子二十九歳。 貧しくとも純愛に満ちた二人の生活はスタートした。智恵子を得たことによって、光太郎は彫刻家として詩人としてその才 能を示し、後世に残るすぐれた作品を創った。

幸福そのものの二人にもやがて悲劇が訪れる。智恵子の精神異常、自殺未遂、そして死。

しかし智恵子に対する光太郎の愛は変わらず、智恵子も狂気の中にあってその思慕は失わなかった。

光太郎がうたいあげる智恵子抄と智恵子が無心に折る紙絵が一つに溶け合う、智恵子の病によって二人の愛は更に高められ たといっていい。

智恵子は南品川ゼームス坂病院で五十二歳でこの世を去った が、その死顔は二十代の若さに輝いていたという。

二本松観光協会 パンフレットより


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